少年時代の思い出(団地かマンションか)

こんにちは。

マンション管理士の古谷太郎です。

本日は私が少年時代を過ごした千葉県郊外の「マンション」を話題にしようと思います。

皆さんは「マンション」と「団地」という言葉からどのような印象を受けるでしょうか。少年時代の私は、この「マンション」と「団地」というのは明確に違うと思っていました。

当時の私の住んでいた「マンション」から自転車で15分くらい行ったところに○○団地という団地があったのですが、ちょっと広めの敷地にエレベーターがない5階建位の古い建物がたくさん建っている、というような感じです。

私の「団地」のイメージはまさしくそれで、自分が住んでいた11階建の建物は、「マンション」なのだと思っていたのです。私は、非木造の中高層集合住宅こそ「マンション」だと思っていたわけです。

ところが、その後少年時代の私の思い込みは半分正解で、半分誤りであるかもしれないことが分かりました。

結論から言うならば、私の住んでいた「マンション」は現在の法的には、「マンション」であり、「団地」でもあったのです。

「マンションの管理の適正化の推進に関する法律」では、「マンション」を次のように定義しています。
(適正化法第2条)
①2以上の区分所有者が存する建物で人の居住の用に供する専有部分のあるもの並びにその敷地及び附属施設
②1団地内の土地又は附属施設(これらに関する権利を含む)が当該団地内にある①に掲げる建物を含む数棟の建物の所有者(専有部分のある建物にあっては、区分所有者)の共有に属する場合における当該土地及び附属施設

つまり、「区分所有した2戸以上の居住用の住宅」が適正化法で定義されたマンションということになります。私が住んでいた「マンション」は分譲マンションでしたので、適正化法における「マンション」ということになります。ただし、適正化法は2000年8月から施行なので、私の少年時代にはこの法律はなかったのですが・・・(年齢がばれてしまう)

さて、区分所有法にはマンションという言葉はでてきませんが、第1章建物の区分所有につづく、第2章は団地となっており、団地関係の成立については第65条において次のように定められています。

①一団地内に数棟の建物があること

②その団地内の土地または附属施設(またはこれらに関する地上権・賃借権等の権利)が①の数棟の建物の所有者(専有部分のある建物であれば、区分所有者)によって共有されていること

簡単に申し上げますと、土地または附属施設の共有があれば団地関係が成立するということですね。

ちなみに私が当時の「マンション」を離れて約20年が経過しますが、ざっくりと次のような配置になっていたと思います。(詳細については私の父に確認しました。)

団地関係図 

つまり、土地と附属施設(管理棟・集会場)の共有があるため、団地関係が成立していたということです。そのように考えると、少年時代の私が「マンション」だと信じていたものは、「団地」でもあったわけです。

さて、団地の管理ですが、標準管理規約(団地型)では、団地規約による各棟管理が(各棟の一元管理)行われていることが前提となっています。また、現実的には多くの団地で一元管理が行われています。なぜならば、私的自治の原則を最大限に尊重して各棟でバラバラに管理をしていけば、管理不全に陥る棟がでてきたり、場合によっては棟によって外壁の色が違ってくるということも考えられます。そうなると、団地全体の資産価値が損なわれることは想像に難くないでしょう。

しかしながら、区分所有法の原則は棟別管理が原則であり、区分所有法第68条による、団地の規約を定めることにより例外的に一元管理が可能になるということには注意が必要です。

私が少年時代に住んでいたマンションは団地内の土地・附属施設については全棟の区分所有者の共有に属していましたので、当然にこれらは団地の管理対象物になり、各棟を区分所有法第68条による一元管理の対象物にするには、次の二つの要件が必要になります。

①団地所有者及び議決権の各4分の3以上の多数による集会の決議

②対象となる区分所有建物の全部につき、区分所有者及び議決権の各4分の3以上の多数による決議

つまり、A棟・B棟・C棟のうち、1棟でもその棟の集会において、特別多数決議(区分所有者及び議決権の4分の3以上の多数)が得られなければ、すべての建物を一元管理するための規約を定められないことになるわけです。

区分所有法の原則にのっとった形で棟別管理を行っていたのを、途中から一元管理にするためには、以上のように二重の特別多数決議を得る必要があるので、現実的には分譲時に各棟を一元管理するための全員の合意をとったうえで、規約を設定しているケースが多いと思われます。

以前、神奈川県の相武台団地における郊外型団地の活性化の事例を書きましたが、同じような「二つの老い」の問題が首都圏の郊外の団地では起きていると思われます。今後人口減少・東京への人口の集中は止められないかもしれませんが、郊外のゆとりある生活というのも中々捨てがたいものです。幸せな少年時代を過ごす基盤となった私の住んでいたマンション(団地?)の活性化を祈りつつ筆をおきたいと思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

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